ジカ熱「リオ五輪での拡大」を恐れる米国の不安

執筆者:大西睦子 2016年2月10日
タグ: 日本
エリア: 北米 中南米 アジア

 人類の歴史は、感染症との戦いでもあります。ワクチンや抗生物質の開発により、これまで多くの感染症が克服されました。それでも、新しい感染症は繰り返し流行し、多くの人の健康を脅かします。最新の脅威は「ジカウイルス感染症」です。

 世界保健機関(WHO)によると、ジカウイルス感染症は、主にヤブカ属の「ネッタイシマカ」や「ヒトスジシマカ」のうち、ウイルスを保有した蚊に刺されると感染します。ちなみに、日本のヒトスジシマカの分布北限は、1946~1948年頃は栃木県北部でしたが、その後徐々に分布域を北へ拡大し、現在、秋田県や岩手県にまで侵入と定着が認められています。

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執筆者プロフィール
大西睦子(おおにしむつこ) 内科医師、米国マサチューセッツ州ケンブリッジ在住、医学博士。1970年、愛知県生まれ。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月からボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月から2013年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度受賞。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。『「カロリーゼロ」はかえって太る!』(講談社+α新書)。『健康でいたければ「それ」は食べるな』(朝日新聞出版)などがある。
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