北朝鮮のリオ五輪(上)「サムスン携帯電話」の波紋

執筆者:平井久志 2016年8月17日
エリア: 中南米 アジア

 北朝鮮はリオ五輪には重量挙げ、柔道、卓球、レスリング、射撃、アーチェリーなど9種目に31人の選手が参加した。少人数だが金メダル候補も多く、少数精鋭とみられた。
 北朝鮮は2012年のロンドン五輪では金メダル4、銅メダル2の好成績を挙げた。金メダル4個は1992年のバルセロナ五輪と並ぶ過去最多で、政権がスタートして間もない金正恩(キム・ジョンウン)政権の国威発揚に貢献した。金正恩政権はスポーツ重視政策を展開しており、今回のリオ五輪にも大きな期待を寄せていることは間違いない。
 だが、大会が始まると最も金メダルに近いといわれた重量挙げ56キロ級のオム・ユンチョル選手(25)が銀メダルに終わり、同じく金メダルが期待された女子25メートル・ピストルのチョ・ヨンスク(28)が7位に終わり、北朝鮮チームを重い雰囲気が包んだ。

カテゴリ: 社会 スポーツ
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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