トルコ「世俗とイスラムの共存」は可能か

女子学生のスカーフ着用を解禁するか否かで、与党の解党が議論される国柄。いまだ「民主主義の実験」を続けるトルコの行方は――。[アンカラ発]トルコでは毎年、数千人ともいわれる女子学生が海外に留学する。イスラム教徒が人口の九九%以上を占めるにもかかわらず、国内の大学ではイスラム教徒の女性が髪を人目に触れさせないために使うスカーフの着用が許されないからだ。国内の大学に通う場合、苦肉の策としてスカーフを覆い隠すかつらをかぶる女子学生も多いとされる。 そのトルコで、一人の検察官の訴えのために、一年前の総選挙で投票者全体の四七%に相当する千六百万人超から得票したイスラム系単独与党・公正発展党(AKP)が“抹殺”されそうになった。提訴の理由は、AKPが女子学生の大学でのスカーフ着用を解禁させようとするなど「国是の世俗主義に反する行動を取った」というものだった。

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