日本人のフロンティア
日本人のフロンティア(19)

途上国の法整備を支援する

日本が支援整備を行って成立した、各国法典の数々(JICA提供)

 

 JICA(国際協力機構)が過去20年以上にわたって取り組み、地味ながら大きな成果をあげている事業の1つに、法整備支援がある。

 その始まりは、1992年、名古屋大学法学部の森嶌昭夫教授(現・名誉教授)が、ベトナムの法律や社会制度の調査のためにハノイを訪問したとき、グエン・ディン・ロック司法大臣(当時)から、民法の立法作業に対して協力してくれるよう依頼されたことである。

 ベトナムは1986年に導入されたドイモイ(刷新)政策のもと、市場経済を導入しようとしていたが、社会主義時代に作られた法制度のもとでは、活発化する経済取引に対応することが困難になっていた。ベトナムでは、世界銀行、国連開発計画、アジア開発銀行、それ以外に諸外国が協力していたが、あまりうまくいっていなかった。どうしても先進国の都合のよい制度の押し付けになりがちだった。

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執筆者プロフィール
北岡伸一 東京大学名誉教授。1948年、奈良県生まれ。東京大学法学部、同大学院法学政治学研究科博士課程修了(法学博士)。立教大学教授、東京大学教授、国連代表部次席代表、国際大学学長等を経て、2015年より国際協力機構(JICA)理事長。著書に『清沢洌―日米関係への洞察』(サントリー学芸賞受賞)、『日米関係のリアリズム』(読売論壇賞受賞)、『自民党―政権党の38年』(吉野作造賞受賞)、『独立自尊―福沢諭吉の挑戦』、『国連の政治力学―日本はどこにいるのか』、『外交的思考』など。
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