安倍首相はなぜ「規制改革」をやめたのか

執筆者:磯山友幸 2019年11月1日
タグ: 日本
エリア: アジア
首相官邸HPより

 

 「成長戦略の一丁目一番地」だとしてきた「規制改革」に、どうも安倍晋三首相は関心を失ってきた模様だ。

 7月に設置期限を迎えていた政府の規制改革推進会議の後継組織の設置がようやく固まったのだが、人選を含めどうも「本気度」が感じられない。首相のリーダーシップが弱まったことで、業界や「霞が関」など「既得権層」の巻き返しが強まっている。

議長の後任が焦点

 今回、規制改革推進会議は「常設組織」になることが決まった。これまでは3年間の時限組織で、毎回、後継組織をどうするのかが問題になってきた。常設化によって提言した改革の進捗などに目を光らせることができる。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
磯山友幸(いそやまともゆき) 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト活動とともに、千葉商科大学教授も務める。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、『破天荒弁護士クボリ伝』(日経BP社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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