
「和風のお粥もおいしいけれど、私がときどき作る中華粥も、おいしいんだよ」
この夏、『セミオトコ』という連続ドラマに出た。私が与えられたのは、アパートの大家の役である。大家は1人でなく、微妙齢と申しますか高齢と申しますか、いずれにしても決して若くない未婚姉妹という設定だ。その大家姉妹役をどういうわけか、ダンフミと私が務めることになった。
なんでまた!?
出演を打診されたとき、驚く以前に笑ってしまった。よくそういうキャスティングを思いつくものだ。かつて私とダンフミは、言いたい放題の往復書簡集を出版して少しばかり話題となり、以後しばらくコンビでの仕事がいくつか来たが、ここ10年ほどはすっかり疎遠になっていた。かつての2人のドタバタを思い出す人が未だにいるのかと、大いに笑った勢いで、気がつくとお引き受けしていた。

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