やっぱり残るは食欲
やっぱり残るは食欲 (25)

おかゆちゃん

執筆者:阿川佐和子 2019年11月3日
エリア: 日本
「和風のお粥もおいしいけれど、私がときどき作る中華粥も、おいしいんだよ」

 

 この夏、『セミオトコ』という連続ドラマに出た。私が与えられたのは、アパートの大家の役である。大家は1人でなく、微妙齢と申しますか高齢と申しますか、いずれにしても決して若くない未婚姉妹という設定だ。その大家姉妹役をどういうわけか、ダンフミと私が務めることになった。

 なんでまた!?

 出演を打診されたとき、驚く以前に笑ってしまった。よくそういうキャスティングを思いつくものだ。かつて私とダンフミは、言いたい放題の往復書簡集を出版して少しばかり話題となり、以後しばらくコンビでの仕事がいくつか来たが、ここ10年ほどはすっかり疎遠になっていた。かつての2人のドタバタを思い出す人が未だにいるのかと、大いに笑った勢いで、気がつくとお引き受けしていた。

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執筆者プロフィール
阿川佐和子 1953年東京生まれ。報道番組のキャスターを務めた後に渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍。『ああ言えばこう食う』(集英社、檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、『ウメ子』(小学館)で坪田譲治文学賞、『婚約のあとで』(新潮社)で島清恋愛文学賞を受賞。他に『うからはらから』(新潮社)、『正義のセ』(KADOKAWA)、『聞く力』(文藝春秋)など。
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池内恵の中東通信

池内恵(いけうちさとし 東京大学教授)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について日々少しずつ解説します。

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