虎の威「IMF」を借る安倍政権の姑息な金融政策

執筆者:鷲尾香一 2019年12月23日
エリア: アジア 北米
ゲオルギエワIMF専務理事も財務省のシナリオで発言したのか?(C)AFP=時事
 

 IMF(国際通貨基金)が日本への干渉を強めている。

 2019年11月に発表した日本経済を分析した報告書には、

「消費税率を2030年までに15%に、2050年までに20%に引き上げる必要がある」

「日本銀行は2%の物価目標を変更するべき」

 との提言を盛り込んだ。IMFの狙いはどこにあるのだろうか。

財務省の「代弁者」

 IMFは、国際金融ならびに為替相場の安定化を目的として設立された国際連合の専門機関。国際通貨制度を監視するとともに、189(2019年9月末現在)の加盟国の経済および金融部門政策のモニタリングを行い、経済面でのリスクを明確にし、必要な政策調整について助言を行う。国際収支の問題が生じている加盟国、または、生じる可能性がある加盟国に対しては融資などを実施することで国際金融秩序の安定を図る。日本は、1952年8月に第53番目の国としてIMFに加盟した。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
鷲尾香一(わしおこういち) 金融ジャーナリスト。本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。
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