「平和構築」最前線を考える (13)

「国際司法裁判所」でロヒンギャ問題「弁論」アウン・サン・スー・チーの狙い

執筆者:篠田英朗 2019年12月26日
タグ: 日本
エリア: アジア
オランダ・ハーグの国際司法裁判所(ICJ)に出廷して弁論する、ミャンマーのアウンサン・スー・チー国家顧問 (C)EPA=時事

 

 12月11日、国際司法裁判所(ICJ)に、ミャンマーのノーベル平和賞受賞者であるアウン・サン・スー・チー氏が立った。ロヒンギャ問題に関する口頭弁論で、ミャンマー政府の立場を、国家顧問であり、外務大臣も兼務する同氏が代表して、説明したのである。

 ロヒンギャ問題は、人道的危機としては、ある種の落ち着きを見せている。もちろん難民問題としては世界最大の規模となっており、引き続き対応には巨額の資金と労力が必要となっている。ただし大規模な帰還も、さらなる難民流出も、確認できない状況にはなっている。そこで、いったい2017年の危機が、どのような形で歴史に記録されていくのか、ということによりいっそうの関心が払われるようになっている。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
篠田英朗(しのだひであき) 東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。1968年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、同大学大学院政治学研究科修士課程、ロンドン大学(LSE)国際関係学部博士課程修了。国際関係学博士(Ph.D.)。国際政治学、平和構築論が専門。学生時代より難民救援活動に従事し、クルド難民(イラン)、ソマリア難民(ジブチ)への緊急援助のための短期ボランティアとして派遣された経験を持つ。日本政府から派遣されて、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)で投票所責任者として勤務。ロンドン大学およびキール大学非常勤講師、広島大学平和科学研究センター助手、助教授、准教授を経て、2013年から現職。2007年より外務省委託「平和構築人材育成事業」/「平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業」を、実施団体責任者として指揮。著書に『平和構築と法の支配』(創文社、大佛次郎論壇賞受賞)、『「国家主権」という思想』(勁草書房、サントリー学芸賞受賞)、『集団的自衛権の思想史―憲法九条と日米安保』(風行社、読売・吉野作造賞受賞)、『平和構築入門』、『ほんとうの憲法』(いずれもちくま新書)、『憲法学の病』(新潮新書)など多数。
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