「人手不足」と外国人 (43)

ベトナム人「集団提訴」で白日に「偽装就職ビジネス」の悪質

執筆者:出井康博 2020年1月9日
エリア: アジア
街中にこんな看板も増えたが……(記事中の団体とは関係ありません)(C)時事
 

 昨年12月、埼玉県内のスポーツ用具販売会社に見知らぬ相手からファックスが届いた。

〈社長様、人事採用のご担当者様〉

 と始まる送付先の名前すらない手書きのものだ。そこには続けてこう書かれてあった。

〈お世話になります。突然のFAXで大変申し訳ございません。

 インターネットで貴社の情報を拝見してお仕事の応募をさせてください。

 日本語は全然できませんが、アルバイトの経験もあり、御社にとって即戦力の人材となると自負しています。

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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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