岩瀬昇のエネルギー通信 (217)

LNG市場で波紋を呼ぶ「新型肺炎」中国の「不可抗力」免責

執筆者:岩瀬昇 2020年2月10日
中国沖合には「浮かぶ貯蓄タンク」のごときLNG運搬船が増えるのか(写真はイメージ)
 

 中国のLNG(液化天然ガス)買主が「不可抗力」通知をした、と報じられている。

 本欄でお伝えしたとおり、「不可抗力」に該当する事由があるかどうか議論があるところだが、売主側がこれを受け入れる可能性がまったくない訳ではない(2020年2月6日『「新型肺炎」で「歴史的安値」LNGスポット価格の「底値」は』)。

 中国は、現在日本に次ぐ世界第2位のLNG輸入国だが、日本の需要増はまったく期待できない一方、近々、日本を抜いて世界最大のLNG輸入国になるのは確実だからだ。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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