「再選最優先」トランプ「新型コロナ対策」の迷走は「安倍政権」の教訓となるか

この人がついているおかげで支持率も急上昇したことが不満なのか(ファウチ所長)(C)EPA=時事
 

 3月30日の時点で、アメリカの新型コロナウイルス(新型コロナ)感染者数は、中国やイタリアを抜き世界最多の16万4000人を超え、死者も3170人以上となった。

 なかでもニューヨーク州では、感染者数6万7300人以上、死者965人以上に上り、ロックダウンという都市閉鎖措置の一歩手前の厳しい外出制限をとっているが、感染拡大は止まらない。

 すでに多くのメディアで、ドナルド・トランプ大統領が、新型コロナを過小評価したため、特に感染拡大防止に重要である検査キットの準備が大幅に遅れたことで現在の感染拡大を招いたことの過程について、政権の内部事情を含めた検証記事が書かれている。これまで同様、おそらく事態を懸念した内部告発者とメディアの取材が、トランプ政権内部の多くの問題を外部にリークしたと思われる。

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執筆者プロフィール
渡部恒雄(わたなべつねお) わたなべ・つねお 笹川平和財団上席フェロー。1963年生まれ。東北大学歯学部卒業後、歯科医師を経て米ニュースクール大学で政治学修士課程修了。1996年より米戦略国際問題研究所(CSIS)客員研究員、2003年3月より同上級研究員として、日本の政治と政策、日米関係、アジアの安全保障の研究に携わる。2005年に帰国し、三井物産戦略研究所を経て2009年4月より東京財団政策研究ディレクター兼上席研究員。2016年10月に笹川平和財団に転じ、2017年10月より現職。著書に『大国の暴走』(共著)、『「今のアメリカ」がわかる本』、『2021年以後の世界秩序 ー国際情勢を読む20のアングルー』など。最新刊に『防衛外交とは何か: 平時における軍事力の役割』(共著)がある。
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