コロナ禍で迫られる「命の選別」ドイツ医学界の提言「厳密ルール」の中身

執筆者:熊谷徹 2020年4月7日
エリア: ヨーロッパ
防護服やマスクの在庫をチェックするイェンツ・シュパーン独保健相。3月26日時点で、「現在は、嵐の前の静けさ」と語っていたのだが…… (C)EPA=時事

 

 中国に続き第2の震源地となった欧州では、最初の感染者が2月にイタリアで見つかってから2カ月経った今でも、ウイルスの拡大が止まらない。「欧州疾病予防管理センター」(ECDC)によると、4月5日の時点で欧州の感染者数は55万5809人、死者数は4万4955人に達している。

 欧州の感染者の大半はイタリア、スペイン、ドイツ、フランスに集中している。これらの4カ国で40万9687人が感染しており、死者数は3万6008人にのぼる。欧州全体の犠牲者数の約80%だ。

カテゴリ: 医療・サイエンス
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執筆者プロフィール
熊谷徹(くまがいとおる) 1959(昭和34)年東京都生まれ。ドイツ在住。早稲田大学政経学部卒業後、NHKに入局。ワシントン特派員を経て1990年、フリーに。以来ドイツから欧州の政治、経済、安全保障問題を中心に取材を行う。『イスラエルがすごい マネーを呼ぶイノベーション大国』(新潮新書)、『ドイツ人はなぜ年290万円でも生活が「豊か」なのか』(青春出版社)など著書多数。近著に『欧州分裂クライシス ポピュリズム革命はどこへ向かうか 』(NHK出版新書)、『パンデミックが露わにした「国のかたち」 欧州コロナ150日間の攻防』 (NHK出版新書)、『ドイツ人はなぜ、毎日出社しなくても世界一成果を出せるのか 』(SB新書)がある。
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