八方塞がり「スー・チー政権」に差し向ける習近平「救いの手」の裏側

執筆者:樋泉克夫 2020年4月14日
エリア: アジア
今年1月にミャンマーを訪れた習近平国家主席(C)AFP=時事

 

 今年11月から12月にかけて、ミャンマーでは総選挙が予定されている。

 前回の総選挙では反国軍・民主化を掲げた「NLD」(国民民主連盟)が圧勝したことで、アウン・サン・スー・チーNLD党首が国家顧問兼外相として大統領の上に立って国政を統べ、内外からの民主化・国民和解への期待を追い風にして、2016年3月には勇躍と政権をスタートさせた。

 あれから4年が過ぎた。予想に違わず、やはり“期待外れの5年間”だったように思う。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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