「人手不足」と外国人 (48)

家族も看取れずブータン女性「脳死」を招いた「留学生30万人計画」の罪科

執筆者:出井康博 2020年4月23日
タグ: 外国人労働者
エリア: アジア
現地紙の『ブータニーズ』に掲載された元気なころのソナムさん。右は福岡で入院中の姿
 

 2020年4月14日午後――。

 冷たい雨が降った前日とは打って変わり、福岡には穏やかな春の日差しが戻っていた。気温も20度ほどまで上昇し、新型コロナウイルスの感染拡大さえなければ、誰もが外出したくなるような陽気である。

来日から1年で……

 そんななか、福岡県古賀市の「古賀バプテスト教会」に、民族衣装の在日ブータン人たちが集まっていた。福岡市内の病院で前日亡くなったブータン人元留学生、ソナム・タマンさん(享年28)の葬儀に参列するためだ。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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