やっぱり残るは食欲
やっぱり残るは食欲 (30)

ネームの謎

執筆者:阿川佐和子 2020年5月3日
カテゴリ: カルチャー
エリア: アジア
「エスニック方面の食料品を見ると、なぜこれほどまでに心が浮き立つのであろう」

 

 よく行く千葉のゴルフ場近くに不思議な店がある。

 畑や雑木林の続く田舎道沿いにその店は忽然と現れた。白いペンキ塗りの平屋で、店頭に掲げられた横長の看板に店名らしき文字が大きく書かれているのだが、これがまったく読めない。アルファベットでもハングルでもない。アラビア文字でもなさそうだ。その解読不能な文字の後ろに、カタカナが添えられているように見える。しかしそれがまた不可思議な手描きのヘタ文字なのである。

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執筆者プロフィール
阿川佐和子 1953年東京生まれ。報道番組のキャスターを務めた後に渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍。『ああ言えばこう食う』(集英社、檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、『ウメ子』(小学館)で坪田譲治文学賞、『婚約のあとで』(新潮社)で島清恋愛文学賞を受賞。他に『うからはらから』(新潮社)、『正義のセ』(KADOKAWA)、『聞く力』(文藝春秋)など。
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