インド「イスラム集会クラスター」で激化する宗教対立

執筆者:緒方麻也 2020年5月15日
エリア: アジア
3月31日、施設に残っていた集会参加者たちは隔離施設へ向かった(C)EPA=時事

 

 全土封鎖(ロックダウン)の延長によってインド経済にさらなる打撃を与えつつある新型コロナウイルスの感染拡大が、国民統合を揺るがしかねない新たな問題を顕在化させている。

 3月中旬に数日間にわたってデリー中心部で開かれたイスラム教団体の集会が、2次、3次も含めて4000人以上に及ぶ集団感染を引き起こしたからだ。

 アンチ・イスラム色の強い与党「インド人民党」(BJP)幹部やヒンドゥー至上主義者らは相次ぎイスラム教徒を非難し、各地でイスラム教徒への暴力や嫌がらせが起きている。

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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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