灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(108)

執筆者:佐野美和 2020年7月5日
カテゴリ: 政治 社会
エリア: アジア
撮影年不詳ながら、義江との離婚、独り立ちを決意した頃のあき(自伝『ひとり生きる』=ダヴィッド社、1956年=より)

 昭和39(1964)年10月25日の東京オリンピック閉幕とともに、池田退陣の一報を受け、藤山愛一郎は外遊最終地のワシントンから舞い戻ってきた。

 羽田空港にはあきや藤山派の議員はもちろん、自民党各派閥の幹部らが盛大に出迎えた。

 あきは口に出してこそ言わないが、

「好機が来た。これで9年間のウミがたまった自民党は、愛さんによって新しく生まれ変わればいい。総理大臣の顔が変わってもそれを牛耳っているのは、大磯のおじいちゃまだもの」

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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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