やっぱり残るは食欲
やっぱり残るは食欲 (37)

発酵の季節

執筆者:阿川佐和子 2020年11月22日
カテゴリ: カルチャー
エリア: アジア
「豆乳ヨーグルトっていいですよ」(写真はイメージです)

 

(9月28日発売の新潮社『波』10月号より転載しています)

 豆乳に魅了されたのは台湾に行ったときである。

 台湾の人々は朝ご飯を家で食べることが少なく、外へ出かけて豆乳の店に足を運ぶ。豆乳専門店は街のいたるところにあり、いわゆるファーストフード店と同じような存在だ。香港では朝、お粥屋さんへ向かう人が多いのに対し、台湾は豆乳が朝食として好まれていると聞いた。

 台湾の豆乳屋へ行くと、「温かい豆乳」と「冷たい豆乳」のどちらかを選ぶシステムになっている。いわば、コーヒーを頼むと、「ホットですか? アイスですか?」と聞かれるようなものだ。続いて、「砂糖とミルクは?」と問われるがごとく、「甘味? 塩味?」という選択を迫られる。うーむ、迷うね。ではとりあえず「温かい塩味!」

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執筆者プロフィール
阿川佐和子 1953年東京生まれ。報道番組のキャスターを務めた後に渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍。『ああ言えばこう食う』(集英社、檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、『ウメ子』(小学館)で坪田譲治文学賞、『婚約のあとで』(新潮社)で島清恋愛文学賞を受賞。他に『うからはらから』(新潮社)、『正義のセ』(KADOKAWA)、『聞く力』(文藝春秋)など。
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