新・マネーの魔術史:未来篇 (66)

2021年「マネー」の世界が大きく変わる

執筆者:野口悠紀雄 2021年1月7日
ディエム公式HPより

 

 2021年には、中国やスウェーデンの中央銀行デジタル通貨(CBDC)、そしてディエム(旧リブラ)が実際に発行される可能性がある。マネーの世界は大きく変わる。セキュリティトークンなど、ブロックチェーンを用いる新しい金融の仕組みも進展するだろう。

デジタル人民元が発行されるか?

 2021年には、マネーや金融の世界において、様々な出来事が予想される。

 第1は、CBDCだ。

 中国のデジタル人民元はすでに数回の実証実験を行っており、発行計画が順調に進んでいるように見える。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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