【特別コラム】コロナと生きるということ(7・了)生態系のなかで生きるウイルスと人間

執筆者:内山節 2021年5月5日
エリア: アジア
 

 

 人類は、これから新型コロナウイルスと長いつき合いをしていくことになるだろう。おそらくは、たちの悪いインフルエンザのようなかたちで毎年姿を現す。もちろんウイルスはたえず変異していくから、その過程では毒性が強くなることも、逆に毒性が弱まることもあるだろう。そういうことをくり返しながら、感染力の強いウイルスが新型コロナウイルスの世界の覇者となっていくに違いない。

処方箋のない感染症対策

 新型コロナウイルスが拡がりはじめたとき、「コロナとの戦い」、「コロナとの戦争」という勇ましい言葉を使う人たちが登場した。

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執筆者プロフィール
内山節(うちやまたかし) 哲学者。1950年、東京生まれ。群馬県上野村と東京を往復しながら暮らしている。著書に『「里」という思想』(新潮選書)、『新・幸福論』(新潮選書)、『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』(講談社現代新書)、『修験道という生き方』(共著、新潮選書)、『いのちの場所』(岩波書店)、『内山節著作集』(全15巻、農山漁村文化協会)など多数。
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