悪党たちの中華帝国
悪党たちの中華帝国 (6)

馮道――無節操の時代(上)

カオスの帝国――五代

執筆者:岡本隆司 2021年7月10日
タグ: 中国
エリア: アジア
馮道(右)は、李存勗(後唐の荘宗=左)に仕えたことが生涯の転機になった

礼・義・廉・恥こそ、国を維持する四大モラルだ。これをさかんにしないと、国が滅亡する。礼・義とは人々を治めてゆく大法であり、廉・恥は人々を成り立たせる大節だ。まして大臣でありながら廉・恥がなくては、乱れぬ天下はなかろうし、亡ばぬ国家もないだろう。馮道の自叙伝を読んで、その自画自賛ぶりにあきれた。これを廉・恥なし、というのであって、当時の天下・国家がどうなったかも、これで火を見るより明らかだ。(『資治通鑑』卷二九一)

カテゴリ: カルチャー 社会 政治
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執筆者プロフィール
岡本隆司 京都府立大学文学部教授。1965年、京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。専門は近代アジア史。2000年に『近代中国と海関』(名古屋大学出版会)で大平正芳記念賞、2005年に『属国と自主のあいだ 近代清韓関係と東アジアの命運』(名古屋大学出版会)でサントリー学芸賞(政治・経済部門)、2017年に『中国の誕生 東アジアの近代外交と国家形成』で樫山純三賞・アジア太平洋賞特別賞をそれぞれ受賞。著書に『李鴻章 東アジアの近代』(岩波新書)、『近代中国史』(ちくま新書)、『中国の論理 歴史から解き明かす』(中公新書)、『叢書東アジアの近現代史 第1巻 清朝の興亡と中華のゆくえ 朝鮮出兵から日露戦争へ』(講談社)など多数。
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