悪党たちの中華帝国
悪党たちの中華帝国 (10)

王安石――「拗ね者宰相」(上)

最強の最小帝国――宋

執筆者:岡本隆司 2021年9月11日
タグ: 中国
エリア: アジア
宋の太平を実現した仁宗(左)時代に定着した科挙。王安石(右)が世に出るきっかけになった

 

「富民を自身の富に安んじて横暴にならないようにし、貧民も自分の貧に安んじて窮乏しないようにすれば、貧富あい和し長久を保って、天下も定まるものだ。ところが王安石は、小丈夫(つまらぬおとこ)である。貧民に同情して富民を憎悪し、貧民に恩恵を与えようとして、その無理に気づかない。まだ下積みの時代に作ったのが「兼併」という詩で、志を得ると、これをひたすら実行した。……禍根はこの詩にある。」(『王荊文公詩箋注』巻六)

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
岡本隆司 京都府立大学文学部教授。1965年、京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。専門は近代アジア史。2000年に『近代中国と海関』(名古屋大学出版会)で大平正芳記念賞、2005年に『属国と自主のあいだ 近代清韓関係と東アジアの命運』(名古屋大学出版会)でサントリー学芸賞(政治・経済部門)、2017年に『中国の誕生 東アジアの近代外交と国家形成』で樫山純三賞・アジア太平洋賞特別賞をそれぞれ受賞。著書に『李鴻章 東アジアの近代』(岩波新書)、『近代中国史』(ちくま新書)、『中国の論理 歴史から解き明かす』(中公新書)、『叢書東アジアの近現代史 第1巻 清朝の興亡と中華のゆくえ 朝鮮出兵から日露戦争へ』(講談社)など多数。
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