悪党たちの中華帝国
悪党たちの中華帝国 (11)

王安石――「拗ね者宰相」(下)

最強の最小帝国――宋

執筆者:岡本隆司 2021年9月25日
タグ: 中国
エリア: アジア
神宗(右)に抜擢されて宰相となった王安石は、「新法」改革を実行するが……

 

 しかし仁宗の治世は、そんな「慶暦」が代表する太平の裏側で、容易ならざる事態が進行していた。潜在する積弊は、一朝有事のさいに露顕する。西北辺境における西夏の興起であった。

西夏の興起と危機の到来

 西夏はチベット系のタングート族が甘粛・オルドス地方に建てた国である。宋の太宗の時期から自立の動きを強め、仁宗の代にいたって離反独立、西暦1038年、族長の李元昊が皇帝と称して、国号を「大夏」とした。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
岡本隆司 京都府立大学文学部教授。1965年、京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。専門は近代アジア史。2000年に『近代中国と海関』(名古屋大学出版会)で大平正芳記念賞、2005年に『属国と自主のあいだ 近代清韓関係と東アジアの命運』(名古屋大学出版会)でサントリー学芸賞(政治・経済部門)、2017年に『中国の誕生 東アジアの近代外交と国家形成』で樫山純三賞・アジア太平洋賞特別賞をそれぞれ受賞。著書に『李鴻章 東アジアの近代』(岩波新書)、『近代中国史』(ちくま新書)、『中国の論理 歴史から解き明かす』(中公新書)、『叢書東アジアの近現代史 第1巻 清朝の興亡と中華のゆくえ 朝鮮出兵から日露戦争へ』(講談社)など多数。
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