深層レポート 日本の政治 (226)

岸田「甘利内閣」の権謀術数と安倍氏の怒り

2021年10月10日
タグ: 岸田文雄 日本
高市氏を支持した「安倍票」が、「反岸田」で動き出す可能性も(小池百合子東京都知事の表敬を受ける岸田氏=10月8日)  ©︎時事
激戦の自民党総裁選を制した岸田文雄首相が新内閣を立ち上げた。岸田陣営の陣頭指揮を執った甘利明幹事長の意向が色濃く反映され、経済安全保障に重点を置いた布陣が目立つ。40代の若手の登用などが注目された一方、これまで党運営の主導権を握ってきた安倍晋三元首相の影響力を巧みに削ぐなど、岸田氏なりの権謀術数も見え隠れしている。

菅前首相との違いをアピール

「国民の皆さんとともに難しい課題に挑戦していくためには、国民の声を真摯に受け止め、かたちにする。信頼と共感を得られる政治が必要だ。そのために、国民の皆さんとの丁寧な対話を大切にしていく」

 首相は10月8日の国会で初の所信表明演説に臨み、総裁選で訴えた「聞く力」を生かし、国民に寄り添う政治を徹底する考えを強調した。記者とのぶっきらぼうなやりとりで支持率を落とした菅義偉前首相との違いをアピールする意味も込めたと言える。

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カテゴリ: 政治
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