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「巧妙化するサイバー攻撃と防御法」(2)

執筆者:松原実穂子 2021年10月13日
エリア: アジア 北米
 
在宅勤務やオンライン作業が増えたコロナ禍では、なりすましメールの被害が急増した。病院など「人命にかかわるライフライン」への攻撃や攻防双方のAI利用など、サイバーセキュリティの最新テーマを追う。

巧妙化するサイバー攻撃と防御法(1)はこちら≫

コロナは攻撃者にとって稼ぎ時

西村 ここまでサイバー攻撃とは何か、サイバー攻撃に対処するとは何かというお話を伺いましたが、少し視野を広げて、コロナ禍でのサイバー攻撃がどのように変わってきているのか伺えればと思います。

松原 コロナ前からコロナ禍にかけて、人々がオンライン上で過ごす時間が増えるにつれ、なりすましメールのリンクのクリック率も激増しました。コロナ前は5%未満だったのが、コロナの感染拡大が始まった後は、クリック率が40%を超えた。つまりサイバー攻撃者にとっては、なりすましメールを送れば人々が開いてくれるという稼ぎ時です。

カテゴリ: 政治 IT・メディア 社会
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執筆者プロフィール
松原実穂子(まつばらみほこ) NTT チーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト。早稲田大学卒業後、防衛省勤務。米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院で修士号取得。NTTでサイバーセキュリティに関する対外発信を担当。著書に『サイバーセキュリティ 組織を脅威から守る戦略・人材・インテリジェンス』(新潮社、大川出版賞受賞)。近著に『ウクライナのサイバー戦争』(新潮新書)
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