やっぱり残るは食欲
やっぱり残るは食欲 (50)

味噌汁の道

執筆者:阿川佐和子 2021年12月12日
カテゴリ: カルチャー
寒い季節に身も心も温めてくれる味噌汁、美味しく作る秘訣は……?(写真はイメージです)

 これまでの生涯で、味噌汁に感動したことが数回ある。

 そもそも普段の食事に「味噌汁がなきゃ困る」と思うほどの味噌汁好きではない。嫌いではないが、なくても不満はない。汁物系であるならば、むしろ洋風のスープを好む。だからこそ、「味噌汁がおいしい!」と思うことは、私にとって珍事なのである。

 母は食卓に毎回、味噌汁を並べることはなかったと記憶する。なぜかは知らない。父がそれほど好んでいなかったのかもしれない。

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執筆者プロフィール
阿川佐和子 1953年東京生まれ。報道番組のキャスターを務めた後に渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍。『ああ言えばこう食う』(集英社、檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、『ウメ子』(小学館)で坪田譲治文学賞、『婚約のあとで』(新潮社)で島清恋愛文学賞を受賞。他に『うからはらから』(新潮社)、『正義のセ』(KADOKAWA)、『聞く力』(文藝春秋)など。
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