悪党たちの中華帝国
悪党たちの中華帝国 (21)

李卓吾――「儒教の叛逆者」(下)

挫折する近代――明

執筆者:岡本隆司 2022年2月26日
タグ: 中国
エリア: アジア
吉田松陰は李卓吾(左)を愛読したとされ、『焚書』から抜き書きした『李氏焚書抄』が今も残る(右=京都大学附属図書館蔵

「非常に極端な異説を立てた」、「一種の過激思想」を述べる著述をはぐくんだ芝仏院での生活は、「終日読書ばかりで、書物を手から放さず、執筆の手をやめることのない毎日、門を閉ざしてとじこもり、多くの書物を著して、人に接する暇も、人に教える暇もなかった」というのが、李卓吾本人の述懐である。さしあたっては、「人に接」して「人に教える」講学を事としたはずの陽明学者らしからぬ、「読書ばかり」という生活・活動のありように着目したい。

カテゴリ: カルチャー 社会
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執筆者プロフィール
岡本隆司 京都府立大学文学部教授。1965年、京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。専門は近代アジア史。2000年に『近代中国と海関』(名古屋大学出版会)で大平正芳記念賞、2005年に『属国と自主のあいだ 近代清韓関係と東アジアの命運』(名古屋大学出版会)でサントリー学芸賞(政治・経済部門)、2017年に『中国の誕生 東アジアの近代外交と国家形成』で樫山純三賞・アジア太平洋賞特別賞をそれぞれ受賞。著書に『李鴻章 東アジアの近代』(岩波新書)、『近代中国史』(ちくま新書)、『中国の論理 歴史から解き明かす』(中公新書)、『叢書東アジアの近現代史 第1巻 清朝の興亡と中華のゆくえ 朝鮮出兵から日露戦争へ』(講談社)など多数。
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