FRB利上げでアジア通貨危機は再燃するか:25年を経た「原罪」仮説の現在

執筆者:吉國眞一 2022年3月1日
エリア: アジア 中南米
3月2~3日にはパウエルFRB議長の議会証言が予定される (C)AFP=時事
米欧の対ロシア経済制裁で国際金融市場に警戒感が高まるが、3月の米利上げが見送られる公算は低く、今年がFRBにとって「非伝統的」な金融緩和政策の出口になるのは確実だ。新興国のドル建て債務が膨張する「アジア通貨危機」型のリスクシナリオを検証する。

 本年は1997年のアジア通貨危機から25年経過した節目の年である。また、2007年に発生し、翌年のリーマンショックに繋がったグローバル金融危機からは15年となる。現在の国際金融市場では、コロナ危機対策と国際エネルギー価格高騰に伴うインフレ懸念を背景に米国をはじめとする主要国の金融政策が引締めに転換しつつあり、途上国の債務危機の再発を懸念する見方もある。この間アジア諸国は着実な構造改革によって通貨危機を未然に防ぐ態勢を整備したと言われている。

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カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
吉國眞一(よしくにしんいち) 1973年一橋大学卒業後、日本銀行入行。国際通貨基金(IMF)へ出向。国際局次長、ロンドン駐在参事等を歴任。2001年国際決済銀行(BIS)入行、アジア太平洋総代表等歴任。06年帰国後みずほ証券顧問、金融広報中央委員会会長を経て、21年カーボンニュートラル推進協議会理事。
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