
思想界が沈滞した清代、孔子(左)を改革者とみなす新思潮を発展させた康有為(右)
その言は康有為の『孔子改制考』『新学偽経考』を主として、さらに「平等」「民権」「孔子紀年」などの謬論で補ったものである。六経を偽作とするのは、聖人の経典を滅ぼすにひとしく、孔子が制度を改めたといえば、あるべきしきたりを乱すにひとしい。人々の「平等」をとなえては、儒教の三綱五常をおとしめるし、「民権」を伸張させると、君上を無(なみ)してしまう。「孔子紀年」を使えば、人々はわが清朝の存在を知らなくなりかねない。(『翼教叢編』蘇輿「序」)

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