悪党たちの中華帝国
悪党たちの中華帝国 (25)

梁啓超――「彷徨模索」した知識人(下)

甦る近代の変革――清末民国

執筆者:岡本隆司 2022年4月23日
タグ: 中国
エリア: アジア
革命派とは距離をおいていた梁啓超(右)は、袁世凱大総統(左)のもとで政治家として活動する。が、その袁の帝制運動には反対した

 時に1902年も終わり、年が明けて4月。『新民叢報』の刊行は29号を数え、「新民説」の連載も、ほぼ毎号つづいていた。あたかも梁啓超の所論・思想が、最も急進化したと評される時期にあたる。師の康有為にあえて異を立て、国家主義をとなえ、国民国家「中国」への変革をうったえ、そのためには「中華帝国」現政権の打倒・「革命」をも辞さない姿勢すら示した。

転身

 梁啓超はそれに先立つ1903年3月より、アメリカに渡っている。はじめての訪米、見聞をひろめるほかに、各地で自派の政見・政策をうったえ、支援を獲得し勢力を拡大する任務も帯びていた。「新民説」の連載もひとまず中断となる。

カテゴリ: 政治 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
岡本隆司 京都府立大学文学部教授。1965年、京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。専門は近代アジア史。2000年に『近代中国と海関』(名古屋大学出版会)で大平正芳記念賞、2005年に『属国と自主のあいだ 近代清韓関係と東アジアの命運』(名古屋大学出版会)でサントリー学芸賞(政治・経済部門)、2017年に『中国の誕生 東アジアの近代外交と国家形成』で樫山純三賞・アジア太平洋賞特別賞をそれぞれ受賞。著書に『李鴻章 東アジアの近代』(岩波新書)、『近代中国史』(ちくま新書)、『中国の論理 歴史から解き明かす』(中公新書)、『叢書東アジアの近現代史 第1巻 清朝の興亡と中華のゆくえ 朝鮮出兵から日露戦争へ』(講談社)など多数。
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