やっぱり残るは食欲
やっぱり残るは食欲 (54)

耳よりなパン

執筆者:阿川佐和子 2022年4月30日
カテゴリ: カルチャー
あなたはパンの耳落とす? 落とさない?(写真はイメージです)

 長時間の仕事へ赴くとき、事前に主催者から訊ねられることがある。

 「お食事はどうしましょう?」

 お弁当を用意しますかという問い合わせである。正直なところ、仕事の合間にあまり胃を重くしたくない。しっかり食べるとそのあと眠くなって労働意欲が低下し、さらにウエストがきつくなる。だから昼は抜いたほうがいいと思うのだが、無下に断ると、その場に居合わせた他のスタッフが食事休憩を取りにくくなってしまう。そこは招かれた者としての配慮が必要になる。そこで私は、昼であろうと夜であろうと「サンドイッチを少しだけ」とお願いする。

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執筆者プロフィール
阿川佐和子 1953年東京生まれ。報道番組のキャスターを務めた後に渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍。『ああ言えばこう食う』(集英社、檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、『ウメ子』(小学館)で坪田譲治文学賞、『婚約のあとで』(新潮社)で島清恋愛文学賞を受賞。他に『うからはらから』(新潮社)、『正義のセ』(KADOKAWA)、『聞く力』(文藝春秋)など。
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