やっぱり残るは食欲
やっぱり残るは食欲 (56)

キーウの音色

執筆者:阿川佐和子 2022年6月4日
カテゴリ: カルチャー
「キエフ風カツレツ」の名前はどうなるのか……(写真はイメージです)

 突然、キエフがキーウになった。なぜか。キエフはロシア語に由来した呼び名であり、ウクライナ語ではキーウと発音するからだそうだ。もはや敵国ロシアの発音に準ずることはあるまいというのが日本政府の意向らしい。だったら最初からキーウにしてくれればよかったのにと、小さくうなだれる人々はたくさんいるにちがいない。地図製作関係者とか教科書関係者とか、いろいろね。

 キエフだけではない。チェルノブイリはチョルノービリになり、オデッサはオデーサなんだって。そんな急に言われても、今まで馴染んできたこちらの気持はどうしてくれる。

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執筆者プロフィール
阿川佐和子 1953年東京生まれ。報道番組のキャスターを務めた後に渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍。『ああ言えばこう食う』(集英社、檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、『ウメ子』(小学館)で坪田譲治文学賞、『婚約のあとで』(新潮社)で島清恋愛文学賞を受賞。他に『うからはらから』(新潮社)、『正義のセ』(KADOKAWA)、『聞く力』(文藝春秋)など。
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