【Analysis】イラクでシーア派同士が一触即発、試されるイランの影響力

2022年8月15日
カテゴリ: 政治 社会
エリア: 中東
イラク議会で「座り込み」をするサドル師の支持者たち=撮影2022年8月2日(C) REUTERS/Khalid Al-Mousily
昨年10月の総選挙以降、シーア派指導者のサドル師を支持するグループと、イランを支持するシーア派グループの対立が激化し、いまだに新政府が樹立できないイラク。両者の間の武力衝突にまで発展する可能性さえ囁かれる。イラクは再び地域のゲーム・チェンジャーとなってしまうのか。

 

[バグダッド発(ロイター)]シーア派指導者ムクタダ・アル・サドル師とシーア派のイラン支持派との権力闘争が内紛に発展するのを食い止められるか、イラクは岐路に立っている。内紛になれば、豊かな石油資源国は経済的に打撃を受け、さらなる不安定化を招く恐れがある。

 イラクでは昨年10月の選挙以降、勝利したサドル師が自身に有利な新政府樹立を阻まれたことで、サドル派とイラン支持派の対立が続いている。これまでのところサドル派もイラン支持派も譲歩する気配はない。サドル師の支持者たちがイラク議会を占拠し、街では反サドル派が抗議デモを行うなど、2003年に米軍率いる有志連合が独裁者サダム・フセインを倒して以来続く政治危機がいっそう深まっている。

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