バイデン激怒「OPECプラス減産」に見え隠れするサウジアラビアの思惑

執筆者:村上拓哉 2022年10月27日
エリア: 中東 北米
バイデン大統領の訪問で改善の兆しが見えた米サウジ関係に再び暗雲(C)AFP=時事
OPECプラスによる減産決定を「ロシアに与している」として非難した米国だが、サウジアラビアにとって重要なのはロシアとの関係ではなく自国経済。ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子に政治的な思惑があるとすれば、中間選挙を見据えたバイデン政権への邪魔立てか?

 

 10月5日、主要な産油国による原油生産の調整枠組みである「OPEC(石油輸出国機構)プラス」は、11月・12月の原油生産目標を日量200万バレル引き下げることを決定した

 減産は一般的に原油価格を押し上げる効果を持つ。歳入の4割を石油・ガス収入が占めるロシアにとって、原油価格の高騰は欧米諸国による経済制裁の効果を相殺する働きを持つため、OPECプラスの決定に対し米国政府は強い不満を表明した。

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執筆者プロフィール
村上拓哉(むらかみたくや) 中東戦略研究所シニアフェロー。2016年桜美林大学大学院国際学研究科博士後期課程満期退学。在オマーン大使館専門調査員、中東調査会研究員、三菱商事シニアリサーチアナリストなどを経て、2022年より現職。専門は湾岸地域の安全保障・国際関係論。
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