国境地帯一の軍事指導者メスードは第二のビン・ラディンか

執筆者:栗田慎一 2009年6月号
エリア: アジア

[ニューデリー発]「わが同志の偉業だ。米国よ、思い知るがいい」。四月三日、米ニューヨーク州郊外の移民支援施設で起きたベトナム系移民による銃乱射事件。一報が世界を駆け巡った直後、パキスタン北西部の山岳地域を拠点に対米闘争を指揮する武装勢力司令官ベイトラ・メスードが、地元記者たちの電話取材に得々と語ってみせた。 メスードは国際テロ組織アルカイダとも関係を持ち、アフガニスタン国境地域を拠点にパキスタン軍と戦闘を続ける武装勢力の連合組織「パキスタン・タリバン運動」の指導者。二〇〇七年のブット元首相暗殺の黒幕と言われ、今年三月にはパンジャブ州のラホール郊外で警察学校を狙った襲撃事件、最近ではパキスタン国内で頻繁に起こる自爆テロを首謀しているとされ、国境地帯で今最も力を持つ人物だ。

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