インドネシアの反米デモ 背後に副大統領の影

執筆者: 2001年10月号
エリア: アジア

 アフガニスタンのタリバンに対する米英の空爆が激化するにつれ、世界最大のイスラム教徒人口を抱えるインドネシア国内も騒然としてきた。首都ジャカルタの米、英大使館前には連日デモ隊が押し寄せ、米国人への襲撃が公然と叫ばれる。このため、米、英、豪などの政府は自国民に対し退避を促す事態となり、外国人バックパッカーが利用する安宿街、ジャクサ通りも閑散としている。 スラウェシ島のマカッサルでは、米国の同盟国・日本の総領事館が攻撃され、米国の象徴でもあるマクドナルドへの襲撃も起きている。 反米デモを組織しているのは、急進派イスラム団体「イスラム青年運動(GPI)」で、十月十一日には、タリバンが呼びかけるジハードに参加する志願者の選考を行なった。そしてGPIの背後にはハムザ・ハズ副大統領が党首を務める開発統一党の影がちらついている。

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