ミロシェビッチの裁判が開けたパンドラの筐

執筆者:ルイーズ・ブランソン 2002年4月号
エリア: ヨーロッパ

元国家元首の戦争責任を問う史上初の裁判がオランダのハーグで始まった。しかし、ミロシェビッチの反撃によって当初の思惑ははずれ、セルビアはさらなる混迷に陥りつつある。[ワシントン発]二月十二日、スロボダン・ミロシェビッチ(六〇)の戦争犯罪を裁く本格的な審理がオランダのハーグ法廷で始まった。これは元国家元首の戦争責任を問う史上初の裁判で、“バルカンの虐殺者”として知られる元ユーゴ大統領は、今後、最長二年間におよぶ裁判で、コソボ、ボスニア、クロアチアで行なった大量虐殺を含む六十六件の犯罪容疑で審理を受けることになる。

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執筆者プロフィール
ルイーズ・ブランソン(るいーずぶらんそん) イギリス出身。英『サンデー・タイムズ』紙モスクワ支局長を経てフリーランスに。米『ワシントン・ポスト』紙元モスクワ支局長で夫のダスコ・ドーダー氏との共著に『ミハイル・ゴルバチョフ』『ミロシェビッチ――暴君のポートレイト』がある。
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