自動車のナンバープレートを巡り、中央政府と上海市政府が激しい綱引きを繰り広げている。上海市は自動車の総量規制策の中核として二〇〇〇年以降、中国の地方政府で唯一、一定枚数のプレートを毎月一回の競売で「販売」しているが、中央は一連の法律や政策などを通じ「違法」であることを強く示唆している。「合法」を主張する上海の外濠は徐々に埋められつつあるようだ。「上海市のこのやり方は五月一日に施行した道路交通安全法に違反している」。中国商務省の黄海次官補は五月二十四日放送の中央テレビの経済番組でこう発言した。「このやり方」とはプレートの競売制度を指す。同法はプレートの交付は中央政府公安部門の専管事項と規定しているためだ。中央の高級官僚が全国放送で上海市の政策を「違法」としてヤリ玉にあげる異例の事態となった。 同法だけでなく、国家発展改革委員会が六月一日に施行した新しい「自動車産業発展政策」や七月一日施行の行政許可法にも抵触する可能性がある。中央が法律と政策を連打して上海市を揺さぶる真意には諸説あるが、地方に法律や政策を順守させるという強い姿勢を見せる手段だとする見方や、中央での上海閥の退潮が影響していると指摘する向きもある。

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