民主党の岡田克也代表が七月下旬の訪米でグリーンスパン連邦準備制度理事会(FRB)議長と会談した。次期衆院選での政権交代も視野に入る野党第一党の代表だけに、アーミテージ国務副長官ら政府要人との会談は理解できる。だが、世界の金融政策を事実上操っているグリーンスパン氏は、そもそも政治家と単独で会うことが極めて異例だ。 会談の実現には日銀人脈が動いた。岡田訪米にも同行した大塚耕平参院議員は日銀出身。古巣に頼み、会談内容を一切明かさないことを条件にFRB側も応諾したようだ。ただ、民主党は日銀の量的金融緩和政策について「異常な政策」と批判的。にもかかわらず、日銀側が会談をサポートしたことには、ある意図が読み取れる。 日銀は景気回復が鮮明になったことで量的金融緩和の解除の時期を探っている。グリーンスパン議長は「岡田代表の話を聞き置くだけだった」(日銀関係者)が、会談を媒介したことで日銀側のメッセージは間接的に伝達できた。霞が関では「岡田代表は結果的に日銀の代弁者を演じた」(財務省幹部)との見方も出ている。

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