情報機関の機能不全を指摘した同時多発テロ事件の報告書の公表やイラクでの治安の悪化など、再選を目指すブッシュ米大統領にとってはマイナス材料が続出している。一方で、民主党ケリー候補の人気も広がらない。 そんな状況下、ケリー候補の弟キャメロン・ケリー氏が七月中旬にイスラエルを訪問したことが、ニューヨーク州やカリフォルニア州、ミシガン州といった大票田の動向を大きく左右するユダヤ票固めに向けた行動として注目されている。 キャメロン氏はイスラエルのシャローム外相と会談したほか、ヤド・ヴァシェム・ホロコースト記念館を訪ねた。キャメロン氏と外相の会談後、イスラエル外務省は「米国とイスラエルは特別な関係にあり、あらゆる政策で一致している」、「民主主義、自由、戦略的利益という共通の価値観を持つ両国の関係はますます強まる」との声明を発表。ケリー候補が大統領選で勝利した場合、イスラエルとの関係に配慮し続けるよう暗に求めている。 なお、ホロコースト記念館を訪れたキャメロン氏は、同館のデータベースでケリー家のルーツに関して検索したという。

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