日本の対台湾世論の変化

執筆者:野嶋剛2011年6月12日

東日本大震災で台湾が日本へ170億円という、海外からは最大の義援金を集めたことが、日本人の心理にどのような影響を与えたのかは興味あるテーマだと思っていました。

台湾の対日窓口である台北駐日経済文化代表処が民間調査会社「ニールセン」に委託して成人男女千人を対象に調査した結果は、一つの答えを示してくれるものでした。

「台湾を身近に感じますか」という質問には、「どちらかといえば身近に感じる」「とても身近に感じる」と答えた人は合計で66.9%に達し、2009年に同様の調査を行った時と比べて、約11ポイント上昇しました。

「現在の日本と台湾との関係は良いと思いますか」という問いには、「どちらかといえば良い」「非常に良い」が91.2%で、二年前より15.2ポイントアップしています。

さらに「あなたは台湾を信頼していますか」という問いには、「多少は信頼している」「非常に信頼している」が84.2%あり、2009年に比べて、19.5ポイントも増えた形です。

完全に中立的な立場による調査とは言えない部分はあり、多少割り引くことは必要だと思います。それでも、今回の台湾の義援が、日本の対台湾世論に与えた影響はかなりあったということが分かります。

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