本当の発電原価

執筆者:フォーサイト編集部2011年7月7日

 本日の更新記事は、塩谷喜雄さんの「『本当の原発発電原価』を公表しない経産省・電力業界の『詐術』」です。6月18日に海江田経産相が玄海原発の「安全宣言」を出したにもかかわらず、菅首相の意向で新たにストレステストを行なう方針を表明。「迷走」との批判も飛び交いますが、安全宣言はこれまでの「原発安全神話」と五十歩百歩の代物ですから、ストレステストをやるにこしたことはないでしょう。本日の記事で塩谷さんが問題提起するのは、「原発安全神話」と並ぶ「原発安価神話」の問題点。世間に流布している「1kWh当たり原子力5.3円、石炭火力5.7円、LNG火力6.2円、石油火力10.7円、水力11.9円」という数字は、2003年に電気事業連合会(電事連)が出したものですが、これはほとんど眉唾と言ってもよいもので、実際とはかけ離れていると見られます。そして、電力会社も経産省も、発電所ごとの発電原価は「企業秘密」として一切公表しようとしません。いま経産省と電力会社がやっているのは、こうした情報を隠したまま「原発を動かさなければ電気料金が上がる、停電する」と国民を恫喝しているに等しいのではないでしょうか。

 「専門家の部屋」では、「中国」に「江沢民前国家主席の死去は本当か」の新エントリ。5日夜からメディア関係者に伝わり始めた江沢民死去情報。その真偽と、死去していた場合の影響を解説します。

 

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。