ニューヨークのウォール街近くにあるズコッティ公園は今年9月中旬以降約2カ月近く所得格差の是正や経済的公平さを求める「ウォール街占拠運動(“Occupy Wall Street”)」に参加していたデモ隊により占拠されていた。だが、今月15日午前1時過ぎからニューヨーク市警察は公衆衛生上の理由及び火災発生の危険性を理由として、デモ隊の強制排除に乗り出した。数週間前からズコッティ公園近くに居住する近隣住民や中小の商店主らはマイケル・ブルームバーグ・ニューヨーク市長に対し衛生上の苦情などからデモ隊を排除するよう要請していたが、警官隊は遂に「誰の公園? 我々の公園だ!(“Whose park? Our park!”)」と叫びながら抵抗するデモ隊を強制的に排除し、200名以上が逮捕された。

 先月後半から今月上旬にかけてボストン、ニューヨーク、ワシントンD.C.といった米国東海岸の主要都市に滞在し、3都市における「ウォール街占拠運動」の抗議デモの現場を訪れる機会があったが、「ティーパーティー(茶会党)運動」との比較で「ウォール街占拠運動」について筆者が受けた印象について述べていきたい。

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