韓国初の女性大統領は誕生するか

執筆者:黒田勝弘2011年12月28日

 韓国も米国やロシアなどと同じく2012年、大統領選を迎える。時期は12月だから結果の予想はまだ難しいが、焦点は故朴正熙大統領の長女、朴槿恵(パク・クネ、59)=元ハンナラ党代表=が果たして当選するかどうかだ。以下は客観的な情勢分析というより、筆者の期待というか、韓国および日本にとってあるべき姿という意味で、ごく個人的な展望を書いてみたい。

 筆者は「初の女性大統領としての朴槿恵大統領誕生」を大いに期待し、韓国でも日本でも質問されるとそう答えている。理由はこうだ。対内的事情と対外的事情の両方から以下のように説明している。

 まず対内的だが、韓国の現代政治の発展過程を踏まえたうえで、新たな発展段階としてぜひ彼女に大統領になってほしいと思う。

 韓国の現代政治はこれまで実にダイナミックに展開してきた。日本支配から解放された1945年以降、まず初代大統領の李承晩(在任1948-60年)は、朝鮮戦争で北朝鮮の武力侵攻を辛うじて押し返したが、1960年「4・19反政府学生革命」で退陣。その後の朴正熙政権(同1961-79年)は経済建設に成功したが、側近による暗殺で幕を閉じた。

 この2人の人生は激動の時代を背景に相当ドラマチックだった。しかし李承晩は国を守り抜き朴正熙は経済発展を実現したという点で、高く評価されるだろう。

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