共和党有力者や議員の支持を拡大するロムニー

執筆者:足立正彦2011年12月26日

 元大統領、有力議員、州知事といった共和党有力者らが2012年共和党大統領候補指名獲得争いに出馬している特定の候補に対し支持を表明する動きが最近慌ただしくなってきている。共和党大統領候補指名獲得争いの幕開けとなる来年1月3日のアイオワ州党員集会まで僅か1週間となり、各候補とも党内での支持固めに懸命になっているためである。

 クリスマス休暇直前の今月22日時点での連邦議会の共和党の上院議員、下院議員の共和党大統領候補7名に対する支持状況についてはロムニーに対する支持が他候補を圧倒していることが理解できる(表参照)。

 

 連邦議会の共和党の上院議員、下院議員からの支持獲得の点でロムニーが他候補を大きく引き離している一因として挙げられるのは、ミズーリ州選出のロイ・ブラント上院議員の存在である。ブラントはロムニー陣営を代表するかたちで共和党の上院議員、下院議員に対しロムニー支持を積極的に働きかけている。3カ月以上前の今年9月にブラントは既にロムニー支持を表明するとともに、ロムニー陣営の議会担当リエゾン(交渉役)に就任している。2010年中間選挙で上院議員に当選するまでブラントは1997年から7期14年間にわたり下院議員を務めており、下院共和党指導部の一角である共和党下院幹事という重職にあったベテラン政治家である。2000年共和党大統領候補指名獲得争いでも、ブラントはジョージ・W.ブッシュ・テキサス州知事(当時)の議会担当リエゾンに就任し、共和党議員に対しブッシュ支持の説得に奔走し、ジョージ・W.ブッシュの共和党大統領候補指名獲得に尽力している。ロムニーは共和党議員に対し影響力を持つブラントを自陣に取り込むことで、2010年中間選挙において大挙当選を果たした新人の共和党下院議員らを標的にして議会でのロムニー支持の拡大に取り組んでいる。その結果、全米各地から選出された合計60名の共和党の上院議員、下院議員がロムニー支持を表明しているのである。

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