台湾選挙を中国人はどう見たか

執筆者:野嶋剛2012年1月22日

 今回の台湾総統選挙で面白かったのが、中国の民衆の反応でした。中国では、今回の台湾選挙はフェニックステレビなどでリアルタイムで報道され、中国政府もあまり制限はつけませんでした。台湾の選挙がこれほど自由に、客観的に中国で報じられたのは歴史的にも初めてのことで、中国の民衆は熱狂的と言えるほどに台湾選挙へのリアクションを示しました。

そのリアクションが表現されたのが、微博(中国版ツイッター)です。出色だったのが、「在中国看台湾選挙、就像太監AV)」です。訳しますと、「中国で選挙を見ることは、男性機能を失った宦官である太監がアダルトビデオを見ているようなものだ」ということで、大変うまいことを言うなと思いました。

この言葉は、現体制への強烈な皮肉で、かなりのところで引用、転送されましたね。

中国人の台湾選挙への見方は非常に肯定的で、ほかにいくつか言葉を拾ってみますと、

「台湾選挙はいままで見たなかで最も面白いドラマだった。1800万人が主演で、選択が正しくても間違っていても、全力で演じている。こちらは13億人がいるが、長い間、衣装を着ているだけで、演じたことはない」

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。