「アラブの春」の地殻変動がパレスチナ問題に及んでいる。1月29日、ヨルダンのアンマンで、ハマース政治局長のハーリド・ミシュアルがヨルダンのアブドッラー国王と会談した。ハマースはガザに草の根の地盤を築きつつ、主要指導者は国外に出て活動してきた。実質上の最高指導者のミシュアルは1999年にヨルダンから放逐されて以来、シリアのダマスカスを拠点に活動してきた。
http://www.washingtonpost.com/world/middle_east/hamas-leader-visits-jordan/2012/01/29/gIQAvNs5ZQ_story.html?wpisrc=nl_cuzheads

 仲介したのは「またも」カタルである。今回はタミーム・ビン・ハマド皇太子がアブドッラー国王とミシュアル政治局長との会談に同席した。国内では異論を封殺する独裁体制を敷いている小国カタルは、アル=ジャジーラの報道攻勢を背にして、アラブ諸国の反体制抗議行動に肩入れして各国の政権に圧力をかけ、仲介者の役割を演じて見せる派手な立ち回りを近年頻繁に行っている。カタルはヨルダンに対し、天然ガスの有利な供給と引き換えに、ハマースの拠点を受け入れるように働きかけているとされる。

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