決戦まで3日 フランス大統領選、最後の戦い

執筆者:渡邊啓貴2012年5月4日

 5月1日メーデーの日、大統領選挙第2回目投票を5日後に控えたパリでは、左右それぞれの支持者の集会があちこちで開かれた。翌日2日の夜にはサルコジ大統領・民衆運動連合(UMP)候補とオランド社会党候補の直接対決のテレビ討論会が実施された。

 そして、その翌日3日夕方、第1回投票で9%の支持率を得ていた中道派(民主運動MoDem)のバイルー候補が第2回投票に臨む姿勢を発表した。

 投票まであと3日、低調と伝えられた今回のフランス大統領選挙であったが、最後の局面で大きな盛り上がりを見せている。

 1日午前中には、極右国民戦線(FN)がパリ・オペラ座近くのピラミッド広場で、百年戦争の敗北からフランスを救ったジャンヌ・ダルク像に献花し、オペラ広場まで行進。毎年恒例となったこの行事の後、マリーヌ・ルペン党首が広場で演説した。FNの関心はもはや大統領選挙にはない。オペラ広場は私が予想していたほどの人ではなく、広場の半分しか埋まっていなかった。この集会に力点が置かれていないことは明らかだった。そのぶん、政党としての組織化が進んでいる証拠でもあるのであろう。

 マリーヌも6月に予定される下院議員選挙で、これまでで最大だった35を上回る議席の獲得を目指して、支持者を鼓舞する内容の演説を力強く行なった。第1回投票で、結党以来最高の約18%の得票率を記録したのであるから、自ずと勢いがある。オペラ座を背景に設営された壇上で、「私は日曜日(大統領選挙第2回投票)には白票を投じ、6月(下院選挙)にはマリーン・ブルー(マリーン・ブルーは党旗の色で彼女の名前と掛詞になっている)を投じます」とマリーヌは断言し、第2回投票ではそれぞれの考えで自由に投票するように支持者に促した。

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