6月6日チリ北部のアントファガスタで、チリ、ペルー、コロンビア、メキシコの4カ国首脳が集まり、枠組協定の締結により、太平洋同盟(Alianza del Pacifico)が発足した。2011年4月、ペルーのリマで4カ国首脳が統合に向け基本合意し、12月メキシコでの首脳会議など約1年間の交渉を経て、GDP、人口ともに中南米全体の3分の1を占め、ブラジルと肩を並べる規模の市場統合が正式に発足することになった。

 太平洋同盟は、ペルー・ガルシア大統領が2007年シドニーでのAPEC首脳会議で提唱した「太平洋の弧」(Arco del Pacifico)構想にさかのぼる。中南米の太平洋諸国が自由貿易の下に結集してアジア太平洋との関係を強化し、アジア経済の発展のダイナミズムを取り込み、各国の社会発展に繋げることを意図したものだ。

 4カ国は、いずれも米国とFTA(自由貿易協定)を発効させ、相互にFTAを締結している。コロンビアを除く3カ国はAPEC加盟国であり、日本ともEPA(経済連携協定)を結び、TPP交渉参加に取り組んでいる。すでに4カ国は株式市場の統合(ラテンアメリカ統合市場MILA)を実現。今回は当初から参加していたパナマに加え、コスタリカもオブザーバーで参加するなど同盟の拡大が視野に入っている。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。