エジプトでは「投票より開票が重要」

執筆者:池内恵2012年6月21日

 6月21日に予定されていたエジプトの大統領選挙結果の発表が遅れ、現地の週明けである23日(土)から24日(日)にずれ込むことが確実となった。

http://english.ahram.org.eg/NewsContent/36/122/45737/Presidential-elections-/Presidential-elections-news/Electoral-commission-delays-runoff-results-to-Satu.aspx
http://www.almasryalyoum.com/node/935411

 両陣営が提起する400を超える異議申し立ての処理に時間がかかっていることを中央選挙管理委員会は理由に挙げている。

http://english.ahram.org.eg/News/45691.aspx

 しかしこれはもともと中央選挙管理委員会を含む司法府のまいた種でもある。選挙結果や前提すら覆すような司法判断がなされかねない以上、両候補が異議申し立てを乱発しておくのは当然の戦術となり、法廷闘争が極まって収拾がつかなくなるのも当然である。

 大量の偽投票用紙が政府印刷局で印刷され、あらかじめ特定の候補者に印がつけられて混入された、といったまことしやかな情報が飛び交う。こういった情報はムスリム同胞団に責を帰すものが多い。議会選挙や大統領選挙で見せつけたムスリム同胞団の組織力への恐れが強いようだ。

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